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4.ただいま!


4.ただいま!

 「わぁい、やっと戻ってこられた」
 その言葉には、ただの嬉しさとはまた違う、深みが有った。いろいろな事があって、それを全て終えた、達成感のようなものも含まれているような気がする。
 「ゲート……、か。別の時間と時間をつなぐ、門……」クロノが、背伸びをしてから、呟くようにいい、ルッカの方に向き直って訊いた。「ってルッカは中世で言ったけど、なんでそんなものがリーネ広場の……しかも転送機 のところに出来たんだろう?」
 「……うーん」問われたルッカも、頭を掻く。「私にもまだ良くわかんないのよ。ただ、転送機も『時空』と『時空』をつなぐ道を開くものだから、何かの影響で『時間』と『時間』をつなぐ事があっても、おかしくは。なんにせよ、あたしは一度家に戻って、ゲートの出来た原因を調べてみるわ。自分で作ったゲートホルダーの原理が分からないんじゃあ、ねェ?」
 ルッカはそう言い残し、ピッと指を立てて、じゃ、と、言うと、さっさとリーネ広場の出口の方へ向かって駆けて行ってしまった。
 「俺も戻る」ルッカが行ってしまってから、輝も言う。「また何かあったような気がしたら来るぜ。じゃあな」
 そのまま忽然と消え去った輝を見て、2人ともあんぐり口をあけたまま硬直した。
 しばらくして、マールがクロノに訊ねる。
 「ね、クロノはどうする? 私さ、一度家に戻ろうと思ってるんだけど」
 いきなりの問いに多少驚いたふうのクロノは、マールをまじまじと見つめた。その眼は明らかに自分に家、つまり、ガルディア城まで送ってもらう事を期待している。
 「ガルディアの森も安全とは言いきれないし……。城まで送ろうか?」
 軽い気持ちでクロノは郊外を目指した。
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